ムッチローの呟くには少し長い呟き

毎日140字ではとても収まりきらないような呟きの数々

from the edge(作詞:梶浦由記 作曲:梶浦由記) 歌詞の感想と解説!

悲しみに囚われたくはない
俯いた場所に涙を落として行きたくない
 
 
こんにちは、ムッチローです。
今日は前々からも言われていたように台風の影響で電車がぐちゃぐちゃでね。
皆さん苦労された方もいらっしゃると思います。
お疲れ様でございます。
えー、そんな中ムッチローは本日も邦楽を見ていっているわけなんですが、今日はLiSAさんの新曲でアニメの主題歌にもなっている「from the edge」です!
LiSA先生の楽曲は過去にも一度だけ取り上げたことがあるんですが、本日は2回目ということで楽しみに書いております。
LiSA先生と言えば、あのパワフルで力強いボイスを武器に、圧倒される歌唱力とともに壮大な世界観の曲を歌い切る感じで、毎回耳に残るサウンドが印象的。
今回はどんな楽曲になっているのでしょうか、見ていきましょう。
 
 
運命を振りほどいて
走り出せるはずなんだ
願いは叶うはずなんだ
叩き潰せ昨日の葛藤
cry for the future from the edge of darkness
 
 
LiSAさんの楽曲って、常に主人公が「運命」と戦う感じのストーリーが多いですよね。
運命って表現は、どこか前向きな意味で使われることってなんだかんだないと思うんです。
どちらかと言うと「私は所詮こうなる運命なんだ」とか「負ける運命にあるんだ」って絶望するときに、自分をさらに追い詰めようと自分自身が使ってしまう言葉なのではないでしょうか。
だからこそ、この運命と戦い、自分の意志を最後まで貫きとおそうとする激しいサウンドがあると、人はみんなそれに助けられるし立ち上がろうという勇気も出ると思うんですよね。
LiSAさんの楽曲で勇気をもらった、なんていう人はたくさんいますよね。
ほんといいアーティストだと思います。すべてがかっこいい。
 
 
向かい風を乗っ取って
嵐の先は見えなくたって
もう道は選べない、勝ち残れ!
迷いはいつも愛情と怒りを秤にかける
さあ、立ち上がるんだもう一度
 
 
「迷いはいつも愛情と怒りを秤にかける」というのは名言中の名言ですね。
誰に対する愛情なのか、それがどれくらい大きいものなのか。
誰に対する怒りなのか、それがどれくらい大切なのか。
愛情を優先すれば怒りが勝り、怒りを優先すれば愛がなくなる。
そんな狭間で苦悩し続ける主人公の様子が描かれていますね。
 
 
今君はその刃を
何処へ振り下ろす?
 
 
誰しも「刃」を持っていて、それをどこに「振り下ろす」かでそれぞれの人生が異なってくる。
愛情で動くのか、怒りで動くのか。はたまた動かないのか。
その決断の繰り返しが、一人一人の人生を形作っていくんだということを言っているのではないでしょうか。
また聴いている側に問いかけることで、聴いている側が決断を委ねられているような感覚になり、勇気を出すきっかけになるという仕組みもここで効いているのかもしれません。
 
 
優しさと馴れ合いたくはない
手が届いたって救えるものはそんな多くない
 
 
この主人公は群れを嫌う人なのかもしれませんね。
誰かから差し伸べられた手も、振り切って自分で道を切り開いていこうとする、チャレンジャーのような存在。
現代で言えばまさにバンドやエンターテイメントで活躍を目指す人々のことだったりするのではないでしょうか。
大学に進学して就職して、結婚して子供を産んで。
そんな人生も悪くないけど、それでは満足がいかない。誰も進んだことのないような道を進んで、自分だけの景色を見続けたい。夢を、追い続けたい。
そうやって前に進んでは挫折を繰り返し続けている人々がこの曲を聴いたら、すごく励まされるんじゃないかなって思います。
 
 
何を叫び泣いたって
淀んだ世界の嘆きに染まる
もう返れない、愛の春
記憶が吹雪に凍る失くしたものは
ねえ、戻らないんだ何一つ
 
 
「染まる」「愛の春」「記憶が吹雪に凍る」「戻らない」という台詞がここで集中してきていますが、これらは四季をうまく利用して世界観を大きくしているものなんでしょう。
四季とそれぞれの季節であったことを一言で組み合わせることで、スピーディーに長い時間を表現し切ることができる上、曲調に合わせて聴く側のテンションを押し上げる効果もあると思います。
この辺りは作詞家の方の凄さが出てますね。
 
 
投げ捨てたいと思っていた弱さだって
君の手を離さない
最後の鎖になっていた
cry for the future from the edge of darkness
 
 
「投げ捨てたいと思っていた弱さ」さえ「君の手を離さない」ことの理由になっていた。
これは一瞬どゆこと?と困惑するのですが、先ほども述べたように、この主人公は自分以外の人とは手を組まず、1人で生きていくスタンスでいます。
なので、前に進んでいる時、自分の道を切り開いていっている時には誰とも手を繋ぐことはにあはずなのですが、ここであるように「君」とは手をつないでしまっています。
つまりこの時主人公は「立ち止まってしまっている」わけなんですね。
それは「cry for the future from the edge of darknes」を見ても分かります。
暗闇の淵で2人、これまでついて来てくれた「君」だけと、手を繋いでいた。
それでもいつかは、その手も離す時が来なければならない。
切ないなぁ。
 
 
今君が行く大地に
雪は降り積もる
ただ白い未来
 
 
「darkness」という単語が先ほどから見られますが、この2人は今まさに暗闇に立っています。
そんな中、ここでは「ただ白い未来」と書かれており、「君」は暗闇ではない方へ向かっていくということが言えます。
ということはどういうことかと言えば、この時点で2人は別れを告げることとなったということです。
主人公はこの暗闇に残り、これまで唯一主人公を信じて同じ道を進んできた「君」は、来た道を引き返してもとの世界へ戻ることになる。それはきっと、主人公の命令でしょう。
この先は自分だけでいく。「君」が行ったら危ない。
「投げ捨てたい」と弱さを抱えて「君」の手を握っていた主人公は、ここでまた自分を奮い立たせて自分1人で暗闇の中で自分の道を切り開いていくことを決心し、「君」に来た道を戻るよう命じるわけなんですね。
こうして数々の葛藤を繰り返しながら暗闇の中を突き進んでいく主人公の力強く心打たれる姿が聴いている人々をも奮い立たせているのでしょう。