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海の幽霊(米津玄師 作詞:米津玄師)  歌詞の解説!

開け放たれた この部屋には誰もいない

潮風の匂い 染み付いた椅子がひとつ

 

さぁさぁ、今回はもはや何を書いても何を歌っても当たり前のようにヒットしちゃう米津玄師ちゃんの『海の幽霊』を見ていきましょう!

 

あなたが迷わないように開けておくよ
軋む戸を叩いて
何から話せばいいのか
わからなくなるかな
 
誰かがその部屋には訪れていて、その部屋はきっと海近くにあるんでしょうね。
戸を叩いて何かを言おうとするのはその誰かだろうね。
なんか関係ないけど、『ゆきだるまつくーろー ドアをあけてー』とか言うのかもしれないなんて思った。
けど何を話せばいいか、主人公は分からなくなってしまうと。
きっと外から訴えてくる誰かに急かされて、どう自分の思いを伝えればいいのか、分からなくなっているのでしょう。
それだけ重大な何かを主人公は抱えているはず。
 
星が降る夜に あなたにあえた
あの夜を忘れはしない
大切なことは 言葉にならない
夏の日に起きたすべて
 
「星が降る夜」と「あの夜」と「夜」を重ねているのには何か意味があるんだろうかねえ。
あんまり同じ言葉を繰り返すのは好ましくないというか、米津ちゃんの曲らしくないなーなんて思ったり。
言葉にならない大切なことがあるということは、主人公が誰かに伝えようとしていることは、とても大切なことなんだとここで分かると。
で、その大切なことは星が降る夏の夜に起きたということですねー。
 
思いかけず 光るのは
海の幽霊
 
これはねー、めちゃめちゃ難しい。
そもそも「海の幽霊」ってどんなもの?
でもあえて「幽霊」という言葉を選んでるってことは、きっと目には見えない「ぼんやりとした」もののことを言ってるんだろうなー。
けど光ってるからね。思いかけず光っちゃう幽霊って…笑
んーーパッと出てこないなぁ。
幽霊って普段は見えないんだけど、「光る」ことで現れることができる。だから、主人公はその「大切なこと」を思い出し、口にしようとするたびに「幽霊」のようなぼんやりとした何かが襲ってくるということなんじゃないかな。
でも信じられないくらい解読しづらい、この歌詞。
米津ちゃんの曲の歌詞の中でもトップレベルで理解が追い付かない曲なんじゃないかなー。
 
うだる夏の夕に梢の船が船を見送る
いくつかの歌を囁く 花を散らして
 
「梢」の読み方が分からなくてグーグル先生に聞いちゃいました。非常に恥ずかしい笑
「うだる」ってどういう様子を言うんでしょう。
これもまたグーグル先生に聞いてみたところ、「ぐったりする」というような意味だそうです。
ぐったりしている夏の夕暮かぁ。
もう青春でしかない。別にそういう曲じゃないけど。
ぐったりしているのは主人公で、船が出かけて行くのをぼーっと眺めているんでしょうね。
その船には誰が乗っているのでしょう。
ただぼーっと視界に入っているだけなのでしょうか。
難しい
 
あなたがどこかで笑う声が聞こえる
暑い頬の手触り 捻れた道を進んだらそのまぶたが開く
 
ここで「あなた」という表現が出てきます。
「あなた」とは先ほどまでの「誰か」を指すのでしょう。
船が出かけて行くのを眺めている主人公の後ろから、「誰か」が笑いながら近づいてくる様子が思い浮かびます。
頬を手で触れていることから、二人はおそらく付き合っているのでしょう。
 
離ればなれでもときめくほど 叫ぼう「今は幸せ」と
大切なことは言葉にならない
 
人口が少ない島で二人は出逢ってるんだと思います。根拠はないですが。
なんか橋本環奈さんがヒロインの『一ページの恋』を思い出しました。(橋本環奈さんの大ファン
大切なことは言葉にならないから、それでも二人が二人の気持ちを分かち合うために、分かり合うために、ただ「幸せ」だということを伝え合ってるんでしょう。
なんだ、ただの青春か。
 
跳ねる光に溶かして 星が降る夜にあなたに会えた
 
「跳ねる光」というのは、海に反射している光のことでしょう。つまり「海」のことを指してますね。
そして、そこに溶けているのは「星が降る夜」です。
よく海と空は比較されますよね。地平線とか、どっちがどっちか分からなくなる、みたいな。
米津ちゃんは、もはや空を海に溶かしてしまったんですね。
これはまた大胆なことをしましたよ、米津ちゃん。
あなた、これから夏で海開きとか言ってるのに。
空溶かしちゃだめでしょ笑
まぁ素敵でロマンチックだからいいけど。
すごい米津ちゃんらしい世界観にひき込まれる歌詞で、私は感動しました。素直に。
 
風薫る砂浜で また会いましょう
 
ここでついに「大切なこと」の意味が判明します。
きっとこの主人公は、彼女のいる島から離れなければならないのでしょう。
だから船を見つめて、少し悲しそうにしている様子を見て、それに元気づけようと彼女は笑いながら肩を寄せ合ったのでしょう。
二人は、なんとも素敵なカップルだなぁ。
 
 
今回は解説を考えていく中で米津ちゃんの世界に引き込まれていく自分に少し驚いたりしていました。
注目される理由を改めて実感しました。
米津玄師。
天才以外の何物でもない。
 
強いて言うなら、海の幽霊。