ムッチローの呟くには少し長い呟き

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白日(King Gnu 作詞:常田大希)  歌詞の解説!

時には誰かを
知らず知らずのうちに
傷つけてしまったり
失ったりして初めて
犯した罪を知る
 
はいはい、今日もこの時間がやってまいりました、ムッチローの邦楽歌詞解説!
今日はKing Gnuの新曲で、ドラマの主題歌にもなっている「白日」を見ていきたいと思います!
 
戻れないよ 昔のようには
煌めいて見えたとしても
明日へと歩き出さなきゃ
雪が降り頻ろうとも
 
どんなに今がつらくても、未来が苦しく感じられたとしても、昔のように戻りたいなんて思わず、前に進んでいかなくちゃいけない。
大学生から社会人になって、働き始めたばかりの人に聴いてほしい歌詞ですね。
 
今の僕には 
何ができるの?
何になれるの?
誰かのために生きるなら
正しいことばかり
言ってらんないよな
 
これはすごい共感する人は多いと思います。
今の自分には何があって、どんなことができるのか、それが分からないから未来が曇ったまま見通すことができず不安になって、毎夜布団の中で目を開けたまま考えごとをする、みたいなそんな感じ。
それでも、この主人公は、自分じゃない誰かのために自分の人生を使うことを決めたと。何が正しくて、どれが正解なのかは分からないままだから、今はがむしゃらに生きているよ、とまぁそういうことでしょう。
 
どこかの街で
また出会えたら
僕の名前を覚えていますか?
その頃にはきっと
春風が吹くだろう
 
「オレのこと覚えてる?」と聞いて、相手はどんな反応をするのでしょう。
「その頃にはきっと春風が吹くだろう」とありますが、これはどういうことなのでしょうか。
春風って、どんな意味で用いられるのかを考えてみたんですが、やっぱり注目すべきは「春」ってところで、おそらくは季節の始まり、一年の始まりを意味しているんだと思うんです。
つまり、「覚えてるよ!」というのは、主人公が戻りたいと思っている「昔」にいた相手と「今」に生きる相手が変わらぬままでいた場合、つまりまだ一年が続いているわけです。言い換えれば同じ時間が流れているということも言えるでしょう。
しかし、そこで「春風」が吹いていしまうわけです。つまりは新しい一年が始まる、これまでの人生がリセットされていることを表現していると思われます。
まとめると、相手に「オレのこと覚えてる?」と聞いた答えは「NO」ですよね。
つらみ。
 
真っ新に生まれ変わって
人生一から始めようが
へばりついて離れない
地続きの今を歩んでいるんだ
 
ほら、わいの解釈が久しぶりに当たったような気がする。
「へばりついて離れない」のは昔の相手がいた頃の記憶で、それを引き離して今を生きなければいけないとするも、やはり心は落ち着かない。
昔に戻りたい。
後悔を過去に残したまま人生を歩むことって、結構きついんだろーなって思った。
過去って変えられないからさ、一度そこに後悔を残してしまうと、それを取りに帰ることはできないんだよね。
だからこそ、僕たちも「今」を一生懸命生きなきゃいけない。そんなメッセージも感じられます。
そして、その「今」が「過去」に引っ張られてぐちゃぐちゃになりそうになっているのが主人公ってわけですね。
 
真っ白に全てさよなら
降りしきる雪よ
全てを包み込んでくれ
今日だけは
全てを隠してくれ
 
どうせ毎日雪が降って欲しいって思い続けることになるんだろーなって思った。笑
「今日だけは」「今日だけは」って、ずっと思い続けているから、いつになっても「今」を変えられずにいるんだよね。
「さよなら」したいけどし切れない。それが毎日積み重なって、「今」がますます「後悔」に変わっていく。
そんな主人公がうまく描かれてます。
いい歌詞だなって。
 
もう戻れないよ 昔のようには
羨んでしまったとしても
明日へと歩き出さなきゃ
雪が降り頻ろうとも
 
「雪」とか出てくるけど、なんだかんだで分かりやすい歌詞になってますよね。
この部分なんて特に解説の施しようがないくらいそのままだし。
伝えたいメッセージは最初の方と変わらない。
過去に執着せず、未来を恐れず、今を生きろ。
やべぇ、ホリエモンの台詞がそのまま当てはまってしまった。笑
 
いつものように笑ってたんだ
分かり合えると思ってたんだ
曖昧なサインを見落として
途方のない間違い探し
 
「間違い探し」と出てきたときに、ふとスダマサキさんの「まちがいさがし」を思い出してしまった。
あれもいい曲だから聴いてほしいな。ちなみに歌詞の解説もしてるよ。笑
ここの部分は主人公の「昔」について書かれてますね。
「曖昧なサイン」だけが相手の普段と違うところで、それを見つけなければ相手が自分をどう思っているかは予測がつかない。
相手の気持ちを知りたいから、相手の曖昧なサインを見落とさぬようにしているのだけど、あまりにもそれが難しすぎて見つからなかった。
間違い探しをするように探したけれど、見つけることができず、自分自身の勇気も徐々に薄れてきて、結局そのまま「今」になってしまったと。
むなしいのぉ。
 
真っ新に生まれ変わって
人生一から始めようが
首の皮一枚つながった
如何しようもない今を
生きていくんだ
 
相手がまだ、自分のことを覚えているかもしれない。まだ思い出させることができるかもしれない。自分の今を引っ張り続けている「昔」の思い出を、相手と共有することができるかもしれない。
「首の皮一枚つながった」というのは、簡単に言うと「まだワンチャンある」という意味です。つまりはそういうことだ。
相手を想い続けている「今」を、がむしゃらにとにかく生き続けるんだ。そう強く決心して、主人公は前を向き始めます。
この辺りから、主人公は「今」に「昔の相手」がいることを受け入れ始めているような気がします。受け入れているというか、割り切ったというか。
「一皮剥けた」なんて言えそうですね。
なんかすいません。
 
朝目覚めたら
どっかの誰かに
なってやしないかな
なれやしないよな
聞き流してくれ
 
ちょっとback numberっぽい歌詞だなって直感で思った。
○○にならないかな、できないよな っていう一連のフレーズがback numberでもよく用いられているように思うからそう感じたんだろうけど、最後の「聞き流してくれ」っていうのはKing Gnuじゃないと言えないなって思った。
どこか打ちのめされているような主人公の中に、男らしさがつのった瞬間だと言えるでしょう。
 
忙しない日常の中で
歳だけを重ねた
その向こう側に
待ち受けるのは
天国か地獄か
 
「忙しない日常の中で歳だけを重ねた」っていう表現はとってもさびしい歌詞だと思います。
忙しいからには仕事とかいろいろと充実しているような人生を送り続けていたけれど、それでも結局自分は、あの相手が自分のものにならなくてはそれ以外はどうでもよくて、あまり魅力的に感じられなくなっている。そんな一人の人間に捧げたような人生は、神様にとってよい人生なのか、悪い人生なのか。どっちに分類されるんだろう。
そんなことまで考えちゃうって、主人公もいよいよまずいなって感じですね。笑
 
いつだって人は鈍感だもの
わかりゃしないんだ肚の中
それでも愛し愛され
生きていくのが定めと知って
 
相手の気持ちが分からない自分は情けないと思っていた。
それでも、主人公はここで気付きます。
それは、相手も同じだと。
人間は誰しも鈍感で、決して後悔のない人生を送っているような人は一人もいないのだと。
だから、もう仕方がない。鈍感同士、互いを受け入れ合えることができる人と愛し愛される関係を作ることが大切なんだ。
主人公の内面の大きな変化。
 
後悔ばかりの人生だ
取り返しのつかない過ちの
一つや二つくらい
誰にでもあるよな
そんなもんだろう
うんざりするよ
 
完全に開き直った主人公。
もう、過去の相手とは決別できたのではないでしょうか。
過去と自らを断ち、より後悔を残さないように今を生きよう。前を向いて歩きだした主人公の大きく自信に満ちた背中が頭に浮かびました。
いいラブソングだ。
 
 
やっぱり失恋って人を成長させるんだなって思ったというか、その過程を一通り理解できたような気がする。
この曲を聴いた人は、いろんなか所で共感をすると思うんです。
失恋をした時、恋愛に限らず過去に今を邪魔されているような人にぜひ聴いてほしい曲だと感じました。
 
過去に執着せず、未来を恐れず、今を生きろ。