ムッチローの呟くには少し長い呟き

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でしょましょ(作詞:米津玄師) 歌詞の感想と解説!

如何でしょ あたしのダンスダンスダンス
ねえどうでしょ? それなりでしょ?
一人きり 見よう見まねで憶えたよ 凄いでしょ?
 
 
こんにちは、ムッチローです。
毎日注目の曲の歌詞を取り上げては勝手に感想を書いたり解説をしたりしているこのブログですが、今日は米津玄師さんの最新アルバム「馬と鹿」の中から「でしょましょ」を取り上げようと思います。
この曲は非常に短いため、感想と解説をいつもよりも深く、長めに書いていければと。
さて、早速内容に入っていきたいわけですが、最初の「何処でしょ あたしのダンスダンスダンス」からすでに米津玄師ワールド全開なのが分かります。
最近の米津玄師の楽曲は前からのもそうですが「安全」な曲がどこか多いような気がするんです。なんというか、万人ウケする曲が多いというか。
それでいいんです。それが素晴らしいんです。
しかし、米津玄師さんは過去に「ハチ」という名前でボカロPとしての活動をしていました。
その頃の楽曲には、決して万人ウケするというより、コアなファンを生むようなある意味「へんてこりん」なものが多かったイメージがあります。
「パンダヒーロー」という曲を聴いてみてください。「ハチ」が作った楽曲で1番有名な曲ですからハマる人も多いと思います。しかし、最近の「米津玄師」が作る曲と比べるとなにもかもが違って聴こえたりすると思うので是非。
それでですね、この曲の冒頭をもう一度見てみてください。
なんか似てるような気がしません?「ハチ」が作った曲と。
続いて「一人きり 見よう見まねで覚えたよ 凄いでしょ?」の部分ですが、「かいじゅうのマーチ」という楽曲を聴いてみてください。これも米津さんの楽曲です。
その中に「少しでもあなたに伝えたくて言葉を覚えたんだ」というのが冒頭に来るんですが、そんな感じですよね。
何も持たずに生まれて、それでも一人で、驚くくらい大きなことをできるようになって。
みんなが当たり前だと思っている部分に、米津玄師は目をつけていたわけですね。
そこには見落とされがちな一つの「大きな問題」があることにも。
 
 
異常な世界で凡に生きるのがとても難しい
令月にして風和らぎ まあまあ踊りましょ
るるらったったったった
 
 
「るるらったったったった」なんかも「パンダヒーロー」と似ている部分があるな、あと改めて感じますが、もっと注目するべきは「異常な世界で凡に生きるのが難しい」という最初のフレーズ。
 「見よう見まねで覚えた」というのをあえて歌詞に入れているのはそういうことです。
周りの「異常な世界」を見て真似て、同じように育って「凡」な人間として生きていく。
そんな毎日は、本当に正しいんだろうか。
そんなメッセージを、この曲に込めているんだろうなって私は思ってます。
また「令月」という言葉が入っているのは米津さんらしいですね。
令和の「令」とかけちゃうなんて、あららって感じですね。
 
 
獣道 ボロ車でゴーゴーゴー ねえどうしよ? ここどこでしょ?
ハンドルを手放してもういっちょ アクセルを踏み込もう
 
 
ここで大切なのは、一見見落としそうですが「ハンドルを手放してもういっちょ アクセルを踏もう」という部分。
ようはどこに行くか決めずに、周りを気にせずにどこかへ行こう。
めちゃくちゃなダンスを、踊りたいように踊ってやってこうじゃねぇか。
米津玄師さんの楽曲らしさも、ここで染み出てきましたね!
 
 
非常にやるせないことばかりで全部嫌になっちゃうな
今日はいい日だ死んじゃう前に なあなあで行きましょ
るるらったった
 
 
「非常にやるせないことばかり」の部分ではどうして「非常に」なんて小難しいというか雰囲気に合わないような言葉をチョイスしたんでしょう。
きっと、「凡」から外れようとしている主人公の生き様を表現しようとしているからではないかと私は思いました。
それにしても最近の楽曲ではなかなか見当たらない感じですね。
珍しいというか、米津玄師さんの中で何か新しい思いとかが芽生えたんじゃないかな、なんて思ったり。