ムッチローの呟くには少し長い呟き

毎日140字ではとても収まりきらないような呟きの数々

インフェルノ(Mrs. GREEN APPLE 作詞:大森元貴)

照らすは闇
僕らは歩き慣れてきた日々も淘汰
夢は安泰な暮らしだが
刺激不足故にタラタラ
どーも!ムッチローです!
今日はMrs. GREEN APPLEさんの新曲『インフェルノ』を見ていきますけども!
Mrs. GREEN APPLEさんは今まさに中高生に大人気のバンドですが、やはり歌詞の共感性の高さが優れているのだと思います。聴いていると自分に寄り添っているような気がして、何回も聴こうと思えるのがすごいところで、しかもこのボーカルで作詞作曲を担当されている大森さんの才能が半端じゃないってところもこのバンドの面白さですよね!
照らすは熄み
僕らの歩き慣れていた道はどこだ
時はたまに癪だが
温もりに包まれ只
大森さんの書く歌詞ってすごく繊細というか、難しい言葉がよく登場してきます。
「熄」 「ヤム」 火が消えてなくなる様子
「癪」 「シャク」 腹が立つ
「只」 「タダ」
炎が立つ
導の方へ
思い出すは優しいメロディー
インフェルノというタイトルですから、炎が関係してくるのはなんとなく察しがつくわけですが、ミセスの曲と聞くとやはり青春だったり思春期の頃の心情を表現したものを想像してしまうので、炎と青春がどのように関係してくるのか、今から気になっている自分がいます笑
永遠は無いんだと 無いんだと云フ
それもまたイイねと笑ってみる
輝けばいつかは光も絶える
僕らは命の火が消えるその日まで歩いてゆく
2回目の「無いんだと云フ」だけ「あれ?」と一瞬戸惑うわけですけど、これはまさに「永遠なんてない」と意味も分からず悲観的に棒読みで主人公が言う様子を描いているのだと思います。
自分自身はどうして生きているんだろう。ろくに死ねないから適当に生きているんだ。永遠なんて無くて、いつかは死んでしまうんだからなにしたって意味がないじゃないか。よく分からないけど、よく分からないけどとりあえず生きていようと思っている。そんな主人公の、もっというと現代の中高生の心情を描いているのでしょう。
ところで何故
僕らは思考を急に辞めているんだ
夢は安泰な暮らしだが
知識不足故にハラハラ
どうして僕たちは、生きる意味をなくしてしまったんだろう。きっと、たしかにきっと自分たちには待ち望んでいるものがあって、でもそれがなにかを知る前に考えることをやめてしまっている。
別にそんなこと知らなくたって、分からないままでいたって、学校には行けるし友達もいるしご飯も食べれて宿題も出る。それが当たり前すぎたのです。それでもなんとなく、自分が目指しているものがぼんやりとしている状態が落ち着かなくて、不安な毎日が続いているよとそういうわけですね。
まさに思春期ですよ。長い人生の中で漠然とした不安がつのってしまうこの時期に、やっぱりこの曲はぴったりです。
中高生の皆さんは、これを聴くと少しその不安が小さくなるのかもしれませんね。
食せばYummy
ヨスガに縋り付いたまま朽ちて行くんだ
ここは業火の中だが
傷跡がヒリつき只
「ヨスガ」とは頼りとする方法や手段のこと、拠り所という意味だそうです。
まぁ意味を聞けば「まぁ、まぁそういうことなのね」となりますけど、よくこんな言葉が頭から出てくるな、と本当に感心します。あのGoogle先生に聞いてもなかなか出てこなかったですし、いやぁ大森さんリスペクト。
水面が立つ
光の方へ
手を取るは新しいメモリー
夜空が分かつ
導の方へ
遮るは堅苦しいセオリー
ここでポイントになるのは「遮るは堅苦しいセオリー」というフレーズ。
これがなければ別に思春期を歌った曲じゃなくても納得が行くような気がするのですが、やっぱりミセスの曲だなと感じさせるような構成だと思いませんか?
大丈夫、自分はよく分からないけど、なんの根拠もないけどきっと大丈夫。なにに怯えているのかもよく分からないけど、でも大丈夫。「水面が立つ光の方へ 手を取るは新しいメモリー 夜空が分かつ導きの方へ」というように明るい前向きな気持ちを持てるようになってきた様子が描かれていますが、どうしても12日経てばまた不安がつのってきてしまうのが思春期というもの。
最後のフレーズがあることで、ここでも聴いている側に寄り添う形がしっかり取れています。
学びきれずに卒業
伝えきれずに失恋
遊びきれずに決別
面倒臭いが
地獄じゃあるまいし
私は男子校ですのでよく分かりませんが、共学の学校に通う人はとても共感できる歌詞なのではないでしょうか。
何かしらの大きな不安があるせいで、学業も恋愛も友達との遊びも、どれも中途半端なまま最後の卒業式を迎えてしまう。あっという間のことなのでしょう。あまりにもいろんなことが起きすぎるし、そんな中で漠然とした不安を抱えたまま生きていくなんて、とても辛いことだと言えるでしょう。
ここで、ミセスの大森さんはそっと口にします。
「面倒臭いが 地獄じゃあるまいし」と。
くぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!
こりゃあ売れるよ。こりゃあしゃあないって。はぁあ。
音が出る玩具も
痛みを飛ばす魔法も
全部僕にとっての宝物
永遠は無いんだと 無いんだと云フ
僕らは命の火が消えるその日まで歩いてゆく
辛いこともたくさんあった。けれど楽しいこともそれなりにあった。
ミセスの曲に『春愁』があります。その中にも「『涙』や『笑い』も少なかったりした 実はそんなこともなかった」という歌詞があります。
今は苦しいと感じているかもしれない。けれど、それも含めて素敵な青春なんだということを大森さんはいろんな曲を通じて若い子たちに伝えたいのでしょう。
中高時代は精神面が大きく成長する時期。だからこそ、涙も笑いもすべて満喫してほしい。ミセスの楽曲は、これからも私たちの背中を優しく押し続けてくれることでしょう。