ムッチローの呟くには少し長い呟き

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STAND-ALONE(Aimer 作詞︰aimerrhythm)  歌詞の解説!

重ねた夢の隙間彷徨う
今もまだ 今もまだ
揺らいだ現実すべて捨てて
これはまだ 夢の中
 
こんにちは、ムッチローです。
今日はAimerさんの新曲で、ドラマ『あなたの番です』の主題歌にもなっている「STAND-ALONE」を見ていきたいと思います!
しょっぱなからすごい世界観が広がっていてびっくりしているのですが、まぁなんとかみていきます。
Aimerさんといえば野田洋次郎さんとのコラボで話題になった「蝶々結び」のイメージが強くて、そのいい意味で頼りない歌声と独特な世界に引き込まれる声に気をとられていたのを思い出しました。
 
生ぬるい夜風と街並み
地下鉄に飲み込まれる
鳴り響く雑踏に溶けて
滲む合図 ネオンライツ
 
蝶々結びとはまったくといって違った曲調が予想されるのですが、まず「ネオンライツ」ってなんぞやと。
これもまたグーグル先生に聞きましたところですね、「ネオンライト」というサイリウムのような、カラフルに明るく光るものがあるっぽいっすね。
「生ぬるい夜風と街並み」は、どこか街中の隅の汚い雰囲気が漂う場所を連想させます。
「地下鉄に飲み込まれる」というのだから、隅というよりはレールの真下、その近くのことを指していると考えた方が適切かも知れませんね。
「雑踏」とは人混みの多い場所のことを言います。
まとめると、駅の近くの人混みが多い清潔感の感じられない場所でネオンライトだけが光って見えていると。
 
さよならって 君が叫んでる
さよならって 今も叫んでる
間違いだらけでも そのドアを開ければいいと
何も変われないなら
悲しい歌ずっと 歌ってもいいの
 
きっと、主人公は何か自分の中にあるものを変えようと努力している。
それを応援している誰かが、主人公が「帰る」と決めたその時から身近にいる誰かが、今も主人公を応援してくれている。
小さくなった背中の後ろから「さよなら」って叫んでいる誰かがいて、きっと「さよなら」と言っている以上は主人公は誰かと決別をしようとしているのかなって思ったり。
それでも、まだ現実は変わっていない。
何も変わらないなら、こんなつらい思いをし続ける必要があるのか、そんなことを主人公は思い始めているのでしょう。
 
STAND-ALONE 歪んだ世界で
STAND-ALONE 描いた世界で
バイバイ 窓辺に 月明かりも届かない場所
何もかも投げ出して 暗闇に浮かぶ
星になりたい夜 そうでしょう
 
「歪んだ世界」は今の現状。
「描いた世界」は自分の夢見ている世界。
「月明かりも届かない夜」と言う部分から、「歪んだ世界」はやはり主人公にとって暗い世界で、それはまさに「駅の近くの人混みが多い清潔感の感じられない場所でネオンライトだけが光って見えている」状態なのではないでしょうか。
周りに照らすものがないから、自分自身が光になりたい。そう主人公は思うようになっている。
最後は「そうでしょう」と同意を求めてきます。これって「誰か」に向かって言ってるのかなぁ。
聴いている側に、僕たちに同意を求めてきているのだとしたら、とんでもなく面白い歌詞だなって思った。笑
 
ふらついた足元指先
目の前も 吐息すら
何もかも本当か嘘か
分からない わかんない
 
最後の部分以外はまぁまぁ他の曲でもあるのかなって思うのですが、この「分からない わかんない」というのがすごい!って思った。感銘を受けたというか。
「分からない」から「わかんない」に少し感じを変えて二度繰り返すような歌詞。本当にびっくりした。
分からないっていうのは、別にそんな感情がなくても言えてしまうようなセリフじゃないですか。言ってしまえば。
でも、ここで「わかんない」って言いなおすんだよね。これがすごい発想だなって!
もうマジでほんとわからん、マジで意味分からん、どういうこと?はぁ。もうヤバいって。もう疲れたよ…
そんな感情が様子に表れている主人公の様子を強く表現しているこの歌詞、しかも字数も構造もめちゃくちゃシンプル!
今のところ一番好き。
いやーーすげぇわ。
 
探していたはずの線を
失くしてきたもので描いて
曖昧過ぎたのは 始まりとルールの性能
何も守れないなら
刻んだ名前も なくしてもいいよ
 
「探していたはずの線を失くしたもので描いて」っていう表現もこれがまたすごい。
美しいの一言。
今探しているものは、これまでの人生で犯した過ちが原因なんだって。
だから、これまで失ってきたものを一つ一つ思い出せば、どこかで今探しているものに繋がってくる。
「ルールの性能」という表現をここで入れてくるのもおもしろさの一つだよね。
「刻んだ名前もなくしていいよ」という表現のニュアンス自体は、さきほどの「何も変わらないなら…」の部分と共通する点がありますよね。
 
最初に 君がついた嘘
夜明けは来るよと囁き
泣きたいほど あの時間こそが幸せだった
星座すら逃げ出して
一人立ち尽くす 星の見えない夜
STAND-ALONE
 
「君」というのは「誰か」のことですね。
「夜明けは来るよ」と誰かに言われて、いずれは光に照らされると信じて前に進んできたのに、今思えばあの「誰か」といた時間こそが一番幸せだった。そう思ってしまっている現実がとても寂しい。星座、つまり人の集まり、雑踏から抜け出し、一人ぼっちになっている今がすごく寂しい。まだネオンライトのような、つくられた光があった方が良かった。
一人立ち尽くして見上げたのは、星の見えない夜。
STAND-ALONE。
 
 
はい、こんな感じで、いつになく気持ちが入った解説になったような気がしますが、いやーーこれはいい歌だと思う。
というよりこういう雰囲気の曲が好きなだけなのかもしれないけど。
 
ネオンライツ