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オーケストラ BiSH(作詞:松隈ケンタ/JxSxK)歌詞の感想と解説!

見上げたあの夜空に
浮かぶ星達
ふと君の声が
あの頃輝いてたかな?
今になっては
ずっと分からないまま
 
 
ムッチローです。
昨日は投稿をサボってしまって大変申し訳ありませんでした。
さて、本日はBiSHさんの新曲「オーケストラ」について見ていこうと思います。
最近話題のBiSHさんですが、私自身は1年ほど前にどっぷりハマりまして、My Landscapeとかはもうずっと聞いてましたね。
懐かしいなーなんて思い出しましたが、それでは早速歌詞の方覗いていこうと思います。
 
 
あの時
君がついた嘘
問いただせずに
泣いたあの坂道
この先
君と会えないの
離れ離れに
身を任せてた
 
 
ここで僕がすごく共感できたのは「離れ離れに身を任せてた」の部分。
人間関係って、案外どうにでもなるように思えてどうしようもないものなんですよね。
これこれしたら何何がこうなるから結局何もできないで悲しまなきゃいけない、みたいな。
それの繰り返しだと思ってるんです。
誰かと別れなきゃいけない時も、自分ではまだ何かできるはずなのにそれがどうしようもないように絶望してしまうみたいな。それが結果的に後悔に繋がって人はそういった経験を重ねたくないと言うわけですけど。
でも実際のところどうしようもないんですよね。
たくさんの人間と繋がっていたり、相手のことを無駄に深読みしたりしてしまうと、動きたくても動けないような状態っていうのが必ずくるもんなんですよね。
これが人間らしさって言われ方もするんでしょうけど。
 
 
いつもの後悔が風に消えてく
誰にもみせないその姿を
もうちょっとだけ
見てたかったんだ
時がそっと睨んでいる
 
 
ほらここで出てきた「後悔」というワード。
「誰にもみせないその姿をもうちょっとだけ見てたかったんだ」という表現はすごく惹かれるものがありますよね。
もうちょっとだけ、ということは、少しは自分のことを相手は受け入れてくれていて、相手にとっても主人公は特別な存在だったのかもしれません。
 
 
その手と手繋いで
笑いあった声
忘れはしないよ
こんなにも流してた涙も
語る声も オーケストラ
 
 
「こんなにも流していた涙も 語る声も オーケストラ」ということで、ここでタイトルに帰着するわけですが。
人生喜怒哀楽の繰り返しがあって、でも最後は笑顔で終わりたい。そういうふうに人はみんな口を揃えて言います。
それとおんなじようなことを言ってるのかな、と私は思いました。
悲しい時に流した涙も、語る声も、全部ひっくるめて同時に鳴らしてしまえばそれはひとつの素晴らしい音楽で、案外聞き心地のいいものなんだ。
オーケストラという言葉のチョイスのおかげで、どこか人生の壮大さが伝わってきます。
 
 
やがて訪れたよね
さよならの声
忘れはしないよ
あんなにも近くにいたはずが
今では繋がりなんて
あの空だけ
 
 
聖徳太子の有名な短歌では、月が2人の唯一の共通にもつものだったわけですが、この曲では「空」が用いられていますね。
個人的には空の方が好きかな。
月よりも、ずっと繋がっているような気がするし、2人が遠く離れてしまっていることが連想しやすいから。
 
夜空の
交換をしよう
馬鹿らしくなって
投げた午前3 時
この先
君と何年も
時の流れに
身を任せても
 
 
「夜空の交換をしよう」というのは、ようは互いがそれぞれに見ている世界がどんなもので、どんな人生を歩んでいるのか、今どんな気持ちなのかを知り合いたいということの言い換えになっているのでしょう。
 
 
いつものジョークが街に消えてく
誰にも見せない僕の姿を
もうちょっとだけ
見せたかったんだ
時がそっと睨んでいる
 
 
ここでは先ほどと反対に、自分の誰にも見せない姿を相手に見せたいということが言われていて、お互いやっぱり惹かれあっていたし、許し合っていた唯一無二の存在だったのでしょう。
 
 
この目と目合わせて
はっきりとしたい
もうできないかな
こんなにもどかしくて
辛いのが
音を立てる オーケストラ
 
 
遠く離れているわけですから、目と目を合わせる、そんな至近距離での意思疎通は難しいわけです。
とてももどかしくて、いてもたってもいられない。
そんな辛さが音になって、2人はオーケストラとしての音楽を奏でている。
 
 
どこで何をしてるの?
分からないのは
僕のせいなんだね
永遠にこんな日がくるなんて
神様イタズラなら
呪いたいぐらい
 
 
神様はこれをイタズラだとします。
そんな軽いものじゃなくて、だって2人は唯一無二の許し合える存在だったから。
そのもどかしさが言葉になって、「呪いたいぐらい」と口にする。
それだけ2人は愛し合っていて、求め合っていた。かけがえのない「生きる上で必要な人」だったわけですね。
 
落ち込んだ時、辛いことがあった時。
心を癒したい時に夜静かなところで聴き続けたい一曲ですね。